面会交流の間接強制

ご夫婦の間にお子様がいらっしゃる場合,離婚に際して親権とともに重要なのが,面会交流についての取り決めです。

面会交流権とは,父または母が子と面会し,電話による会話や手紙・メールによる意思疎通その他の方法で親子としての交流を持つ権利のことをいいます。

離婚をする際には,相手方は面会交流に応じる姿勢を見せていましたが,離婚後は面会交流に応じないということがしばしば起こります。

では,そのような場合には,どのような対処をすればよいのでしょうか。

調停等の場合には,調停条項によって,「子と毎月1回程度面会交流をすることを認め,面会の日時,場所及び方法は,子の福祉に慎重に配慮して当事者双方が協議の上これを定める。」と合意が成立することが多いです。この場合には,非親権者は,家庭裁判所に対し,面会交流を拒否されたことを理由として履行勧告をするよう求めることができます。履行勧告の申し出は,口頭・電話でもよく,費用もかからないため,簡便な履行確保手段といえます。しかし,裁判所からの勧告であるとはいえ,強制力はないので,相手方が勧告に応じない場合には面会交流を実現することはできません。

そこで,面会交流について強制執行することができないか問題となります。

かつては,面会交流についての強制執行を否定する考え方が強かったのですが,近時は間接強制という方法による強制執行が認められています。間接強制とは,債務者に債務の履行を確保するため相当と認められる一定の金銭(間接強制金)の支払いを命じる強制執行の方法のことをいいます(民事執行法172条1項)。例えば,「面会交流の不履行1回につき金5万円を支払え。」というような裁判を求めるものです。

もっとも,間接強制の対象とするためには,給付の意思が明示され,給付の内容が具体的に特定されている内容である必要があります(債務名義性)。

平成25年3月28日に,最高裁は,「面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,監護親に対し間接強制決定をすることができると解するのが相当である。」と判示しました。

そこで,間接強制をするためには,債務名義において,(1)面会交流の日時または頻度(2)各回の面会交流時間の長さ(3)子の引き渡しの方法,が具体的に定められている必要があります。

このような具体的な条項は,裁判所が任意に作成してくれるものではないので,調停や訴訟の和解交渉の場面で,明確に主張していく必要があります。

とはいえ,非監護親の最終的な目的は面会交流の実現自体であり,間接強制金をもらっても満足はできないでしょう。面会交流は,相手方との最低限の信頼関係を必要とするものですから,離婚の交渉にあたっては,その信頼関係を破壊しないように注意し,間接強制という手段は,最後の最後の手段であると考えておくべきでしょう。

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