不倫(不貞行為)が発覚すると、多くの方が動揺し、感情に任せた行動をとってしまいがちです。しかし、そのような行動は、思わぬトラブルや慰謝料の増額、さらには離婚といった望ましくない結果を招く恐れがあります。
本記事では、不倫が発覚した際に避けるべき行動と、法的リスクを最小限に抑えるための適切な対応について、弁護士の視点から解説します。もしものときに備えて、冷静な判断につながる正しい知識を身につけておきましょう。
不倫が発覚した後に「最悪の事態」を避けるためにやってはいけないこと
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不倫が発覚した直後は、気持ちが動揺しやすく、冷静な判断を欠いてしまうことが少なくありません。しかし、その後の対応が、慰謝料の金額や離婚の成否に大きく影響します。
特に、以下のような行動は、事態を悪化させる可能性があるため、避けるべきです。
■開き直ったり、反省の態度を示さなかったりすること
不倫の事実を認めず嘘をつき続けたり、開き直った態度をとったりすると、相手の感情を逆なでするだけでなく、慰謝料の増額事由となる可能性があります。真摯な対応が重要です。
■不倫関係を継続したり、不倫相手と同居したりすること
発覚後も不倫相手との関係を続けたり、別居を機に同居を始めたりする行動は、婚姻関係を著しく破壊するものと見なされ、慰謝料が増額する要因となります。
■相手の要求を無視し、話し合いを拒否すること
配偶者からの話し合いの申し入れを無視したり、一方的に連絡を絶ったりすると、相手の態度を硬化させ、交渉による解決を困難にしてしまう恐れがあります。誠実な対話の姿勢を見せることが重要です。
【不倫してしまったら知っておくこと】慰謝料請求のリスクと適切な対応策
不倫は法的に「不貞行為」とされ、離婚の原因になるだけでなく、精神的苦痛を与えたことに対して損害賠償(慰謝料)を請求される可能性があります。
慰謝料の請求は、配偶者だけでなく、不倫相手の配偶者からなされることもあるため、注意しておきましょう。
もし慰謝料を請求された場合は、慌てずに次の点を確認し、冷静に対応方針を検討することが大切です。
■請求内容の確認
まず、請求されている金額、その根拠となる事実、そして相手がどのような証拠を持っているかを正確に把握しましょう。内容証明郵便など、書面で届いた場合は特に慎重に確認することが必要です。
■合意書の署名や支払いを急がない
相手から誓約書や示談書を提示されたり、「今日中に振り込め」などと期限を切られたりしても、その場で署名や支払いをしてはいけません。いったん署名すると、後から内容を覆すことが難しくなることがあります。支払いについても、金額や支払方法、支払った場合に何が解決したことになるのかが曖昧なまま進めると、追加請求の原因になり得ます。書面がある場合は写しを取り、条項の意味(清算条項や口外禁止条項など)を確認したうえで、対応を決めることが大切です。
■反省と謝罪の意を示す
真摯に反省し、謝罪の意を伝えることは、当事者間の感情的な対立を和らげるだけでなく、裁判になった際に慰謝料の減額要素として考慮される可能性があります。状況がこじれる前に、誠意ある対応を心がけましょう。
■減額の可能性を探る
たとえば、不倫関係が始まる前から夫婦関係が良好でなかった(長期間別居していたなど)といった事情は、慰謝料の減額につながることがあります。請求を減額できる事情がないか、客観的に状況を分析しましょう。
■早期解決を検討する
もしあなたが婚姻費用(生活費)を支払っている立場であれば、離婚成立までの期間が長引くほど負担も増します。そのようなケースでは、たとえ請求内容に争いがあったとしても、ある程度の慰謝料を支払うことで早期に問題を解決する方が、経済的に合理的な選択となることも少なくありません。トータルのコストや精神的負担を踏まえて、早期解決を目指すことも有効な選択肢と言えるでしょう。
不倫した側の弁護士費用の目安
不倫が発覚して慰謝料や離婚の話が出ると、「弁護士に頼むと費用が高くなるのでは」と不安になる方が多いと思います。弁護士費用は一律ではなく、どこまで任せるか、交渉がどの程度こじれているか、調停や訴訟に進むかどうかで変わります。ここでは、費用がどう決まるのか、相談前に押さえておきたいポイントを説明します。
■費用が変わりやすい場面
不倫の問題では、まず慰謝料の請求に対する交渉が中心になります。交渉だけで落ち着く場合と、離婚条件(財産分与や養育費、面会交流など)まで同時に話が進む場合では、必要な検討や書面対応が増えるため、費用のかかり方も変わります。さらに、調停や訴訟に移ると、裁判所に提出する書面の作成や期日対応が必要になり、対応範囲が広がります。相手が弁護士を付けている場合は、やり取りが書面中心になりやすく、こちらも慎重な対応が求められます。
■弁護士費用の考え方(相談料・着手金・報酬金・実費)
一般的に、弁護士費用は相談料、依頼時に発生する着手金、事件が終了したときに発生する報酬金、郵送代などの実費で構成されます。どの項目がいくらになるかは、事務所の料金体系によって異なります。また、同じ「慰謝料の交渉」でも、相手の請求が高額である、証拠の内容が複雑である、連絡頻度が多いといった事情があると、検討や対応の量が増えやすい点にも注意が必要です。なお、事務所によっては作業時間に応じて費用が発生するタイムチャージ制を採用していることもあります。
配偶者や不倫相手の配偶者から請求される慰謝料の相場
慰謝料の金額は法律で明確に定められているわけではなく、まずは当事者同士の話し合いによって決めます。双方が合意すれば、その金額が「慰謝料」として確定しますが、話し合いがまとまらない場合は、裁判所での調停や訴訟を通じて金額が決まることが一般的です。
裁判所が慰謝料の額を判断する際には、過去の判例などを参考に、不倫の状況や婚姻関係の実態など様々な事情を総合的に考慮します。
不倫が原因で離婚に至る場合の慰謝料の相場は、概ね100万円~300万円の範囲となることが多いですが、個別の事情によっては、相場から大きく外れることも否定できません。高額なケースでは700万円の慰謝料が認められた事例も報告されています。
慰謝料の金額に影響を与える主な事情は以下の通りです。
■慰謝料が増額される可能性のある事情(増額要素)
- 不倫の期間が長い、回数が多い
- 不倫が原因で配偶者がうつ病など精神的な病気になった
- 不倫相手が妊娠・出産した
- 反省の態度が見られない、開き直っている
- 不倫関係の発覚後も同居を始めるなど、重婚的な内縁関係にある
■慰謝料が減額される可能性のある事情(減額要素)
- 不倫関係が始まる前から夫婦関係が破綻していた、または良好ではなかった(例:長期間の別居)
- 真摯に反省し、謝罪している
■その他の考慮要素
- 婚姻期間の長さ
- 未成熟児の有無
- 偶者同士の年齢差や経済力の差
離婚を求められた場合の対処法
配偶者から不倫を理由に離婚を求められた場合、感情的に反論したり、無視したりすることは得策ではありません。まずは相手の要求を正確に把握することが重要です。離婚だけを求めているのか、それとも慰謝料や財産分与、子どもの親権など、他の条件も併せて要求しているのかを確認しましょう。
あなた自身が離婚を望むかどうかによって、その後の対応は大きく変わります。
■離婚に応じる場合
離婚そのものに争いがないのであれば、慰謝料や財産分与、養育費などの離婚条件について、冷静に話し合いを進めていくことになります。前述の通り、一定の慰謝料を支払うことで早期解決を図ることも有効な選択肢の一つです。
■離婚を望まない場合
相手方から離婚を求められている状況では、関係修復は容易ではありません。関係修復を目指すのであれば、誠意をもって対応することが重要です。また、どのような法的選択肢が残されているかを明確にするためにも、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
いずれのケースでも、一人で判断するのではなく、弁護士の助言を得ながら対応することが、後悔のない選択につながります。
離婚条件の交渉における不倫の影響
「不倫をしたのだから、離婚条件ではすべて不利になる」と考える方は少なくありません。
しかし、これは法的には正確ではありません。不倫という事実が、慰謝料・親権・財産分与・年金分割といった離婚条件にどのような影響を及ぼすのかを正しく理解し、冷静に交渉に臨むことが大切です。
■慰謝料
不倫(不貞行為)は、離婚に至った原因を作った「有責行為」とされ、慰謝料の支払義務が発生する直接的な原因となります。
■親権
不倫の事実があるからといって、親権者になれないと決まるわけではありません。不倫が原因で子どもの監護に具体的な支障が生じているなどの特段の事情がない限り、不倫の事実のみをもって親権者としての適格性が否定されるケースはないと言っていいでしょう。
■財産分与
財産分与は、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を分け合う制度です。原則として、貢献度にかかわらず「2分の1ずつ」とされており、不倫の事実があったとしても、この割合が変動することは基本的にありません。
■年金分割
年金分割は、婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録を当事者間で分ける制度です。不倫の有無は、分割の割合に直接影響を与えるものではありません。
このように、不倫の影響が及ぶのは主に慰謝料であり、他の離婚条件については必ずしも不利になるとは限りません。
感情に流されず、一つひとつの条件について法的な根拠に基づき交渉を進めていく姿勢が求められます。
不倫した側の弁護士ができること
不倫の問題は、慰謝料だけで終わらず、離婚の可否や離婚条件の話に広がることもあります。相手の感情が強く、連絡が頻繁になったり、職場や家族に知らせることをほのめかされたりすると、「どこまで応じればよいのか」「何を言うと不利になるのか」が分からなくなりがちです。弁護士に依頼すると、法的な見通しを踏まえたうえで、必要なやり取りを安全に進められます。
■相手が弁護士を付けている場合
相手に弁護士が付くと、請求内容が書面で届き、期限を区切って回答を求められることが増えます。この場合、弁護士が窓口となり、受任通知を出して以後の連絡先を一本化します。請求額が妥当か、慰謝料の算定に影響する事情(婚姻関係の状況、別居の有無、期間や回数など)を確認し、主張すべき点と控えるべき点を見極めます。支払う場合でも、一括か分割か、支払期限、清算条項(これ以上の請求をしない約束)や口外禁止条項(第三者に伝えない約束)など、後のトラブルを避けるための条項を整えたうえで合意書を作成します。
■相手が弁護士を付けていない場合
相手が弁護士を付けていない場合でも、当事者同士でのやり取りは感情的になりやすく、言葉選びを誤ると事態がこじれることがあります。弁護士が代理人として交渉し、必要なやり取りを適切な範囲にとどめることで、余計な衝突を避けやすくなります。また、離婚の話が避けられない状況では、慰謝料だけでなく、親権、財産分与、年金分割、養育費などの条件が絡みます。どの条件を優先するかによって対応が変わるため、全体を見ながら交渉の順序や落とし所を考え、合意内容を文書化していきます。
不倫した側の人が弁護士に相談・依頼すべきタイミング不倫した側の人が弁護士に相談するベストなタイミングとは
不倫が発覚すると、「もう少し様子を見よう」「相手が落ち着けば話し合えるかもしれない」と考えてしまいがちです。しかし、相手が動き出してから慌てて対応すると、不利な発言をしてしまったり、条件の悪い書面に同意してしまったりすることがあります。相手と直接やり取りを重ねる前に、法的に見て何が問題になり得るか、どこまで主張できるかを確認しておくと安心です。次のような場面では、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
- 配偶者や不倫相手の配偶者から、慰謝料を請求する内容証明郵便が届いたとき
- 相手から誓約書・示談書などの書面を示され、署名を求められたとき
- 相手が弁護士をつけた、または弁護士名が記載された書面が届いたとき
- 高額な請求や、短い期限での回答・支払いを求められたとき
- 「職場や家族に知らせる」などと言われ、身の回りへの影響が心配なとき
- 離婚の話が本格化し、親権や財産分与、養育費なども同時に決める必要が出てきたとき
- 調停の申立書が届いた、または訴状が届いたとき
- まだ発覚していなくても、証拠を押さえられている可能性が高いと感じるとき
相手が弁護士を付けている場合は、回答の仕方ひとつで「争いが深くなるか」「落ち着いて収束に向かうか」が変わることがあります。やり取りを始める前に相談しておけば、連絡の取り方や、言わない方がよいことの線引きも含めて確認できます。
弁護士に早めに相談することで、次のようなメリットがあります。
■的確な見通しとアドバイスを得られる
弁護士は、請求されている金額が妥当か、減額の可能性はあるかなど、法的な観点から今後の見通しを立てることができます。また、ご自身の言い分や、相手に伝えるべきでないことなど、具体的な対応についてアドバイスをすることが可能です。
■不利な状況に陥るのを防げる
ご自身で対応した結果、相手の態度を硬化させてしまったり、不利な証拠を残してしまったりするケースは少なくありません。弁護士に相談することで、そうしたリスクを避け、冷静に手順を踏んで対応を進めることができます。
■精神的な負担を軽減できる
弁護士が代理人として交渉の窓口となることで、相手方と直接やり取りをする精神的なストレスから解放されます。弁護士は交渉の代理だけでなく、裏方として助言のみを行う形でのサポートも可能です。
不倫の問題は、法的側面だけでなく、感情的な対立や人間関係の複雑さが絡むデリケートな問題です。ひとりで抱え込まず、まずは専門家である弁護士に相談し、ご自身にとって最善の解決策を見つける第一歩を踏み出してください。
お一人で判断せずに、離婚に強い弁護士に相談してみませんか?
養育費・婚姻費用・財産分与などのお悩みに、経験豊富な弁護士が対応します。
対面/Zoomどちらも可能。
※ご相談内容により一部有料となる場合があります。








