離婚裁判とは?流れ・期間・費用を弁護士視点で徹底解説

木槌と打撃板の写真

離婚について真剣に考え始めたとき、「話し合いではもう無理かもしれない」「裁判になると何が起こるのだろう」と不安を感じる方が少なくありません。「離婚裁判」という言葉には、時間がかかる、費用が高い、精神的に大変そうといったイメージが先行しがちですが、実際の流れや条件を正しく理解している人は多くないのが実情です。
日本では、離婚裁判は誰でもすぐに起こせるものではなく、法律で定められた手続や要件があります。また、裁判に進んだ場合でも、必ずしも判決まで争い続けるとは限らず、途中で和解により解決するケースも少なくありません。どの段階で何が求められ、どれくらいの期間や費用がかかるのかを知っておくことは、冷静な判断をするうえで欠かせないポイントです。
そこで、本コラムでは、離婚裁判とは何かという基本的な位置づけから、裁判で離婚が認められる条件、具体的な流れ、期間や費用の目安、そしてできるだけ負担を抑えて進めるための考え方までを解説します。

1 離婚裁判(裁判離婚)とは?概要と位置づけ

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離婚裁判とは、夫婦の一方が離婚に同意しない場合や、離婚条件について合意できない場合に、裁判所の判断によって離婚を成立させる手続をいいます。協議離婚や調停離婚と異なり、最終的には裁判官が事実関係と法律に基づいて結論を下す点に大きな特徴があります。
日本の離婚制度では、いきなり離婚裁判を起こすことは原則としてできません。家事事件手続法では、離婚については「調停前置主義」が採用されており、まず家庭裁判所に離婚調停を申し立て、話し合いによる解決を試みることが必要とされています。これは、当事者同士の感情的対立が激しくなりやすい離婚問題について、裁判という対立構造に入る前に、調停委員を介した話し合いによる円満解決の可能性を探る趣旨によるものです。
もっとも、調停を行っても合意に至らない場合には調停不成立となり、その後に離婚裁判を提起することが可能になります。離婚裁判は、あくまで調停で解決できなかった場合の「最終手段」として位置づけられているといえるでしょう。

こちらのコラムもご参照ください。
離婚の条件が決まらない・話し合いにならない・離婚の話しがまとまらない・相手が応じない方へ

2 法定離婚事由(裁判で勝てる条件)

離婚裁判では、「離婚したい」「一緒に暮らすのがつらい」という主観的な気持ちだけでは足りず、法律上、離婚が認められる理由、いわゆる「法定離婚事由」が存在することが必要です。これらは民法770条1項に定められており、裁判所は原則として、この条文に該当するかどうかを基準に離婚を認めるか否かを判断します。

2-1 不貞行為

民法770条1項1号は、「配偶者に不貞な行為があったとき」を離婚原因として定めています。不貞行為とは、配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的関係を持つことをいいます。単なる親しい交際や好意を表すことだけでは足りず、肉体関係の存在が必要とされています。もっとも、実際の裁判では、直接的な証拠がなくても、宿泊を伴う交際やホテルへの出入り、継続的な関係性などの事情を総合して、不貞行為が推認されることもあります。

2-2 悪意の遺棄

次に、同条1項2号は、「配偶者から悪意で遺棄されたとき」を離婚事由としています。悪意の遺棄とは、正当な理由なく、同居や協力、扶助といった夫婦としての義務を放棄する行為を指します。たとえば、一方的に家を出て生活費を渡さない場合や、正当な理由なく長期間別居を続ける場合、働く能力があるにもかかわらず生活費の負担を拒む場合などが典型例です。ただし、DVからの避難や、相手の不貞行為をきっかけとした別居など、正当な理由がある場合には、一般的には、悪意の遺棄には当たらないと判断されます。

2-3 3年以上生死が明らかでないとき

同条1項3号は、「配偶者の生死が三年以上明らかでないとき」を定めています。これは、長期間にわたり配偶者の生死が不明で、社会通念上も婚姻関係を維持することが困難な場合を想定した規定です。単に連絡が取れないというだけでは足りず、捜索を尽くしても生存が確認できないことが必要とされます。

2-4 強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき

同条1項4号は、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」を離婚事由としています。ここでいう強度の精神病とは、統合失調症など、婚姻生活を維持することが著しく困難となる程度の精神疾患を指します。ただし、単に病気であるというだけでは足りず、回復の見込みがないことや、看護・扶養の状況、当事者双方の生活状況などを踏まえて、婚姻の継続が困難であるかどうかが慎重に判断されます。近年では、この規定の適用は限定的に解釈される傾向にあります。

2-5 婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

そして、実務上最も重要であり、最も多く利用されているのが、同条1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」です。この規定は、1号から4号までの類型には明確に当てはまらないものの、客観的に見て、もはや夫婦としての共同生活を維持することができない状態に至っている場合を広くカバーするために設けられたものです。
たとえば、長期間にわたる別居、配偶者からの暴力やモラルハラスメント、度重なる暴言や無視、過度な金銭管理や浪費、ギャンブル依存、宗教活動をめぐる深刻な対立などが、この条文に基づいて問題となることがあります。
重要なのは、これらの事情が一時的・感情的なものにとどまらず、婚姻関係が回復困難な状態にまで破綻していることが必要ということです。

2-6 有責配偶者からの離婚請求

もっとも、離婚を求める側に不貞行為などの重大な有責行為がある場合、いわゆる「有責配偶者からの離婚請求」は、原則として認められにくいとされています。判例上は、別居期間が極めて長期に及び、未成熟子が存在せず、相手方が精神的・社会的に著しく不利益を受けないといった例外的な事情がある場合に限り、有責配偶者からの離婚請求が認められるとされています。

2-7 離婚裁判で勝訴するためのポイント

このように、離婚裁判で「勝てる」かどうかは、民法770条に定められた離婚事由に該当する事実を、証拠に基づいて立証できるかどうかにかかっています。どの離婚事由を根拠に主張するのか、そのためにどのような証拠が必要となるのかを見極めることが、離婚裁判を進めるうえで極めて重要なポイントとなります。

3 離婚裁判のメリット・デメリット

離婚裁判を選択するかどうかを判断する際には、そのメリットとデメリットの双方を正しく理解しておくことが不可欠です。離婚裁判は、話し合いによる解決が難しい場合の有効な手段である一方、当事者にとって大きな負担を伴う手続でもあります。

3-1 離婚裁判のメリット

まず、離婚裁判の最大のメリットは、相手がどれほど強く離婚を拒否している場合であっても、法定離婚事由が認められれば、裁判所の判断によって離婚を成立させることができる点にあります。協議や調停では、最終的には相手方の合意がなければ離婚は成立しませんが、裁判では合意の有無にかかわらず、法律に基づく結論が示されます。
また、離婚裁判では、離婚の可否だけでなく、財産分与、慰謝料、親権、養育費といった離婚に付随する重要な条件についても、裁判所が判断を下します。判決や和解によって条件が明確に定められるため、離婚後の生活設計が立てやすくなり、将来的な紛争の蒸し返しを防ぎやすいという利点があります。とくに、金銭面や子どもに関する条件について大きな対立がある場合には、第三者である裁判所の判断を仰ぐことが、結果的に公平性や納得感を得ることにつながることも少なくありません。

3-2 離婚裁判のデメリット

一方で、離婚裁判にはデメリットも存在します。最も大きな点は、解決までに相当な時間がかかる可能性があることです。調停前置主義のもとでは、まず調停を経る必要があり、調停が不成立となってから裁判に進むため、実質的な紛争解決までに長期間を要することになります。裁判自体も、複数回の期日を重ねて進行するため、短期間で終結するケースはむしろ例外的といえるでしょう。
さらに、精神的な負担の大きさも、離婚裁判の大きなデメリットです。裁判では、自らの主張を裏付けるために、過去の出来事や夫婦間のトラブルを詳細に説明し、証拠として提出する必要があります。相手方からの反論や批判的な主張に直面することも避けられず、その過程で強いストレスを感じる方も少なくありません。とくに、DVや不貞行為といったセンシティブな問題が争点となる場合には、心理的な消耗が大きくなりがちです。
加えて、経済的な負担も無視できません。裁判費用そのものは比較的高額ではないものの、弁護士に依頼した場合には、着手金や報酬金などの弁護士費用が発生します。争点が多く、裁判が長期化するほど、費用負担も増加する傾向があります。

3-3 裁判すべきか見極めることが重要

このように、離婚裁判には明確なメリットがある一方で、時間的・精神的・経済的な負担を伴う側面も併せ持っています。重要なのは、「裁判をすれば必ず楽になる」という発想ではなく、自分の置かれている状況に照らして、本当に裁判という手段が最適なのかを冷静に見極めることです。その判断のためにも、早い段階で専門家の意見を聞き、メリットとデメリットを踏まえた現実的な選択をすることが重要といえるでしょう。

4 離婚裁判の「流れ」を完全ガイド

離婚裁判の流れを理解するうえで、キーワードとなるのが「口頭弁論」です。口頭弁論とは、公開の法廷で裁判官の面前において当事者や代理人が主張を述べ合い証拠を提出する、裁判の中心的な手続きです。
離婚裁判は、離婚調停が不成立となった後、家庭裁判所に訴訟を提起することから始まります。原告は、離婚を求める理由や、慰謝料、財産分与、親権などの請求内容を訴状に記載し、裁判所に提出します。訴状が受理されると、裁判所から被告に対して訴状が送達され、これに対する答弁書の提出が求められます。
その後、最初の口頭弁論期日が指定されます。初回の口頭弁論では、訴状や答弁書といった書面の内容を陳述したものと扱われ、争点の概要が確認されることが一般的です。多くの離婚裁判では、これ以降、当事者双方の主張や反論は、準備書面と呼ばれる書面の提出によって進められていきます。
2回目以降は、通常、弁論準備手続という非公開の手続が行われることが一般的で、当事者双方が提出した準備書面をもとに、裁判官が争点を整理していきます。たとえば、不貞行為の有無、別居に至った経緯、婚姻関係が破綻しているかどうかといった点について、どこに争いがあり、どの事実を証拠によって裏付ける必要があるのかが明確にされます。このように、離婚裁判においては、主張と反論、証拠の提出を積み重ねながら、少しずつ争点を絞り込んでいく形で進んでいきます。
手続が一定程度進むと、裁判所は、弁論準備手続から口頭弁論に戻して、証拠調べを行います。証拠書類の提出に加え、必要に応じて当事者尋問や証人尋問が行われることもあります。当事者尋問や証人尋問では、当事者本人や関係者が法廷で質問を受け、事実関係について供述します。この過程は、当事者にとっては精神的な負担が大きい一方で、裁判官が事案の実情を直接把握する重要な場面でもあります。
また、離婚裁判の流れの中では、判決に至る前に、裁判官から和解が提案されることが少なくありません。和解が成立した場合、その内容は和解調書として作成され、確定判決と同一の効力を持ちます。そのため、和解は裁判上の正式な解決方法の一つとして、実務上非常に重要な意味を持っています。
和解が成立しない場合には審理を終結し、裁判所が判決を言い渡します。判決では、離婚の可否だけでなく、慰謝料や財産分与、親権、養育費などについても判断が示されます。判決に不服がある場合には控訴することができますが、その場合はさらに審理が続くことになり、解決までの期間が延びることになります。

5 離婚裁判にかかる「期間」

離婚裁判に要する期間は、事案の内容や争点の多さによって大きく異なります。比較的争いが少ないケースであっても、調停から裁判まで含めると1年から2年程度かかることが一般的です。
親権や財産分与、慰謝料など多くの争点がある場合や、相手方が徹底的に争う姿勢を示している場合には、さらに長期化する傾向があります。当事者尋問や証人尋問が行われる場合などは、2年以上かかることも珍しくありません。
このように、離婚裁判は短期間で終わる手続ではないことを、あらかじめ理解しておくことが重要です。

6 離婚裁判の「費用」(弁護士費用・裁判費用含む)

離婚裁判にかかる費用は、大きく分けて裁判費用と弁護士費用があります。裁判費用には、訴訟を起こす際の印紙代や郵券代などが含まれますが、これ自体は数万円程度に収まることが一般的です。
一方、弁護士費用は事務所や事案によって幅がありますが、着手金と報酬金を合わせて数十万円から100万円を超えるケースもあります。争点が多く、裁判が長期化するほど、費用も高額になる傾向があります。
経済的に弁護士費用の負担が難しい場合には、法テラスの民事法律扶助制度を利用できる可能性もあります。収入や資産に一定の要件がありますが、条件を満たせば、弁護士費用を立て替えてもらい、その後分割で返済することも可能です。ただし、法テラスが利用できるのは、弁護士が法テラスと民事法律扶助の利用契約を締結している場合に限られるので、最初に確認しておくことが必要でしょう。

7 離婚裁判を「早く」「負担少なく」進めるポイント

離婚裁判は、当事者にとって時間的にも精神的にも大きな負担となりやすい手続です。しかし、進め方次第では、無用な長期化を避け、負担をできるだけ抑えることも可能です。そのためには、裁判が始まる前、あるいは初期段階での準備と姿勢が重要になります。
まず重要なのは、離婚裁判において何を求めているのかを明確にすることです。離婚そのものを最優先とするのか、慰謝料や財産分与、親権といった条件を重視するのかによって、取るべき戦略は大きく異なります。すべての点で完璧な結果を求めようとすると、争点が増え、裁判が長期化しやすくなります。自分にとって譲れない点と、一定の妥協が可能な点を整理することが、結果的に早期解決につながることが少なくありません。
次に、法定離婚事由を意識した主張と証拠の整理が不可欠です。離婚裁判では、民法770条に定められた離婚事由のうち、どれに該当するのかを意識し、それを裏付ける証拠を計画的に提出することが重要です。主張と証拠がかみ合っていない場合、裁判官から追加の説明や立証を求められ、その分、審理が長引く原因となります。
また、裁判の途中で和解による解決の可能性を視野に入れておくことも、負担を軽減するうえで重要なポイントです。離婚裁判では、口頭弁論や弁論準備手続の過程で、裁判官から和解が提案されることが少なくありません。和解は「負け」や「妥協」と捉えられがちですが、判決までにかかる時間やどのような判決になるか見通しが立てにくいことを考えると、現実的かつ合理的な解決方法となる場合も多くあります。和解に応じるかどうかを冷静に判断できるよう、あらかじめ自分なりの着地点を想定しておくことが大切です。
さらに、裁判に伴う精神的な負担を軽減するためには、すべてを一人で抱え込まないことも重要です。弁護士に依頼することで、法的な主張や書面作成を任せることができ、感情面での消耗を抑えやすくなります。その結果として、冷静な判断がしやすくなり、無用な対立の激化を防ぐことにもつながります。

8 よくある質問(Q&A)

Q1 離婚裁判を起こせば必ず離婚できますか?

A いいえ。法定離婚事由が認められないと裁判所が判断すれば、離婚が認められないことがあります。

Q2 別居していれば必ず離婚できますか?

A 別居は重要な要素ですが、別居期間や原因などを総合的に判断して、婚姻関係が破綻しているかどうかによって離婚の可否が判断されます。

Q3 相手が出廷しない場合はどうなりますか?

A 相手が正当な理由なく出廷しない場合でも、裁判は進行し、最終的には判決が言い渡される可能性があります。

Q4 離婚裁判中に生活費はもらえますか?

A 婚姻費用分担請求を別途行うことで、裁判中の生活費の支払いを求めることができます。

9 離婚裁判を検討しているなら、早い段階で弁護士に相談することが重要です

離婚裁判は、法的知識だけでなく、証拠の集め方や主張の組み立て方が結果を大きく左右します。自己判断で進めてしまうと、不利な立場に立たされることも少なくありません。
調停の段階から弁護士に相談することで、裁判に発展した場合を見据えた戦略を立てることができます。離婚裁判を検討している方は、できるだけ早い段階で弁護士に相談し、自分にとって最善の解決策を検討することが、後悔のない選択につながるといえるでしょう。
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