日本では、経済的に主たる収入を担っているのが夫であるケースが多く、男性側から離婚を求める場合、財産分与・婚姻費用・養育費といった金銭面の負担が大きな問題になります。さらに、親権の場面では監護実績が重視されるため、男性が不利になると感じることも少なくありません。
男性側から離婚を求める場合に重要なのは戦略です。証拠を整え、財産状況を把握し、将来の生活設計を描いた上で進めることが、離婚を有利に進める第一歩となります。
本コラムでは、男性側から離婚を求める場合に押さえておくべき現実と具体的準備について、解説します。
1 「男の離婚」を成功させるために・最初に知っておくべき現実と心構え
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近年、「離婚したい」「妻と別れたい」と考える男性からの相談が増えています。共働き世帯の増加や価値観の多様化により、夫婦の役割や将来設計をめぐる対立が表面化しやすくなっていることが背景にあります。
精神的に追い詰められていると感じる男性の相談も珍しくありません。かつては「男性が我慢すべき」という空気もありましたが、現在は自分の人生を守るために離婚を選択する男性が増えているのが実情です。
一方で「男性は離婚で不利だ」という声をよく耳にします。しかし、法律上は男女で扱いに差があるわけではありません。財産分与は原則2分の1であり、養育費も算定表に基づいて決まります。
確かに、親権の場面では監護実績が重視されるため、家庭への関与が少なかった場合に不利になることはあります。しかしそれは性別の問題ではなく、生活実態の問題です。男性が離婚を有利に進めるためには、現実を正しく理解することが必要です。
男性側からの離婚理由として多いのは、性格の不一致や価値観の相違です。金銭感覚や子育て方針の違いが積み重なり、「もう一緒にいられない」と感じるケースは少なくありません。精神的な圧力や人格を否定するような言動に苦しみ、「妻と別れたい」と決意する男性もいます。
単なる不満と法的な離婚原因は必ずしも一致しません。相手が離婚を拒否した場合に備え、法的な見通しを確認しておくことが重要です。
強いストレスの中で「とにかく家を出たい」と思うこともあるでしょう。しかし、準備なく別居すると、婚姻費用の負担や親権への影響といった問題が生じる可能性があります。
生活費の支払いを怠れば、不利に評価されることもあります。別居は戦略的に行う必要があります。
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【別居後、短期間で離婚するためにしたほうがよいこと】について弁護士が解説
2 妻と有利に進めるための「戦略的な事前準備」
「妻と別れたい」と思った瞬間から、準備は始まっています。何も整理しないまま話し合いを始めると、不利になってしまいかねません。
2-1 証拠の確保
離婚をするためには、事実を裏付ける証拠が極めて重要です。不貞の有無、暴言やモラハラの有無などを証明するには、客観的資料が必要です。
疑いだけで相手を強く追及してしまい、証拠を隠されたり消されたりするケースは少なくありません。証拠は、相手に知られないように継続的に集めることが鉄則です。
2-2 財産把握
離婚時の大きな争点となるのが財産分与です。婚姻期間中に形成された財産は、原則として共有財産と評価されます。名義がどちらであっても、夫婦が協力して築いたとみなされるのが通常です。
預貯金、保険、不動産などは正確に把握しておくことが不可欠です。特に収入の大半を担ってきた男性の場合、自分名義の財産は当然に自分のものと考えてしまいがちですが、法的には必ずしもそうではありません。
まずは財産の全体像を可視化することが、離婚準備の基礎となります。
2-3 生活費のシミュレーション(婚費等)
別居をすれば、収入の多い側が婚姻費用の支払い義務を負うのが通常です。これは裁判所の算定表を基準に算出され、個人の感情で左右されるものではありません。
さらに、離婚後には養育費の支払いが発生する可能性があります。現在の収入で、自身の家賃や生活費に加えてこれらの負担を支払えるのかどうかを事前に検討しなければ、離婚後の生活が不安定になるおそれがあります。
そのため、現実的な生活設計をした上で行動することが重要です。
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3 男性の離婚で最大の争点となる「お金」と「子ども」
男性の離婚において争点となりやすいのは、経済的問題と子どもに関する問題です。
3-1 財産分与
財産分与は原則として2分の1という考え方が基本です。ただし、独身時代の貯金や相続財産などは特有財産として分与の対象外となります。
住宅ローンが残っている不動産については、評価額や処理方法が大きな争点となります。売却するのか、どちらかが住み続けるのかによって解決の方向性は大きく変わります。
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財産分与の【争点】を乗り越える!離婚時に差が出る弁護士活用術
3-2 慰謝料
慰謝料が問題となるのは、不貞行為や悪意の遺棄など、法律上違法と評価される行為が存在する場合です。単なる性格の不一致では、通常慰謝料は発生しません。
自分に不貞などの問題がある場合は、慰謝料請求されるリスクを見込んだ上で交渉を進める必要があります。
3-3 親権と面会交流
親権の判断では、これまでの監護実績が重視されます。日常的な育児への関与が少なかった場合、親権の取得は容易ではありません。2026年4月から共同親権制度が導入されますが、個別の事案ごとに判断されるため、必ずしも共同親権が認められるとは限りません。
一方で、面会交流は原則として子どもの利益の観点から広く認められる傾向にあります。妻側が子どもに会わせたくない姿勢を見せた場合でも諦める必要はありません。
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父親が親権を取るケースが少ない理由は?親権を獲得したい男性が知っておくべきポイントを解説
3-4 養育費等
養育費は裁判所の算定表を基準として決められるのが一般的です。支払いたくないという気持ちだけで減額されるものではありません。
4 泥沼化を避けるために
離婚が長期化すればするほど、精神的負担も経済的負担も増大します。円満かつ迅速に進めるためには、感情的な応酬を避け、条件を整理し、専門家を交えて冷静に協議することが有効です。
特に、口頭やLINE等での激しいやり取りは、後に証拠として提出される可能性があります。冷静さを失わないことが、結果的に自分を守ることにつながります。
5 よくある質問(Q&A)
Q1 妻が離婚に応じてくれません。どうすればよいですか?
A まずは話し合いによる解決を目指しますが、合意に至らない場合は家庭裁判所で離婚調停を申し立てることになります。調停でも折り合いがつかない場合は訴訟へ進みますが、裁判では法定離婚原因が必要です。法的に離婚が認められる事情があるかどうかを事前に整理しておくことが重要です。
Q2 男性は離婚で不利になるのでしょうか?
A 法律上、男女で有利・不利が決まることはありません。ただし、親権では「これまで主に子どもを監護してきたのはどちらか」が重視される傾向があります。
Q3 別居はすぐに始めたほうがよいですか?
A 勢いで家を出ることはおすすめできません。別居後は婚姻費用の支払い義務が発生する可能性があり、子どもがいる場合は監護実績の問題にも影響するので、戦略的にタイミングを見極める必要があります。
6 弁護士に相談するタイミングとメリット
理想的なのは、別居や交渉を始める前の段階で相談することです。早期に相談することで、法的リスクを把握し、不利な発言や行動を避けることができます。
7 こんな方は一度ご相談ください
本気で「妻と別れたい」と考えている方、別居を検討している方、財産分与や慰謝料、親権に不安を抱えている方、離婚後の生活設計に迷いがある方は、一度専門家に相談することを強くおすすめします。
離婚準備なく動けば、不利な結果を招く可能性があります。しかし、正しい情報と戦略をもって進めれば、納得のいく解決に近づくことができます。
弁護士法人法律事務所DUONは、男性の離婚の実績が豊富です。妻との離婚でお悩みの男性は、こちらからご予約の上ぜひご相談ください。
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