性格の不一致で離婚したい方へ

「夫や妻と性格が合わないので離婚したい」
と考える方が多数おられます。

実は日本でもっとも多い離婚原因は「性格の不一致」です。
ただし相手と性格や考え方が合わないからといって、必ず離婚できるとは限りません。

今回は性格の不一致で離婚できるケースとできないケース、財産分与や慰謝料などの知識を弁護士がご紹介します。
離婚に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

1.性格の不一致とは

性格の不一致とは、配偶者との性格や生活習慣、価値観が異なることです。
多少の違いであれば耐えられますが、著しく価値観が異なると我慢ができなくなり、婚姻関係を続けられなくなるご夫婦も少なくありません。

性格の不一致が離婚問題に発展しやすいのは、以下のような場合です。

  • 相手と考え方や物事の捉え方が大きく異なり喧嘩やすれ違いが増える
  • 金銭感覚が合わない
  • 相手の生活習慣に嫌悪を感じる
  • 子どもの教育方針が異なる
  • 相手が神経質すぎる、わがまますぎるなどの事情があり耐えられない

性格がどうしても合わないと、結婚後、徐々に違和感が大きくなって離婚を考えてしまうものです。

2.性格の不一致はもっとも多い離婚原因

日本では性格の不一致がもっとも多い離婚原因です。
裁判所の司法統計によって調停申立の動機が発表されていますが、性格の不一致は男女ともに毎年「1位」となっています。

あなたが夫や妻と性格が合わないので離婚したいと考えているとしても、決して珍しいことではありません。

3.性格の不一致で離婚できるケース

夫婦の性格が合わない場合、離婚できるケースとできないケースがあります。
どういった状況であれば離婚できるのか、みてみましょう。

3-1.相手と合意した

1つは配偶者と合意ができた場合です。
日本では、夫婦双方が離婚に同意すれば協議離婚ができます。協議離婚では離婚原因がなんであってもかまいません。夫婦双方が離婚届に署名押印して役所へ提出すると、それだけで離婚が成立します。

協議ができない場合には離婚調停を申し立てる必要がありますが、性格の不一致で調停離婚もできます。調停も夫婦の合意によって成立するので、離婚原因は問われません。

3-2.法律上の離婚原因がある

協議や調停では離婚できない場合、離婚訴訟を申し立てなければなりません。
訴訟では、性格の不一致が理由で離婚できない可能性があります。
離婚訴訟の判決で離婚を認めてもらうには「法律上の離婚原因」が必要だからです。

法律上の離婚原因5つ

  • 相手の不貞(不倫)
  • 相手による悪意の遺棄(生活費不払いや家出、同居拒否など)
  • 3年以上の生死不明
  • 回復しがたい精神病
  • その他婚姻関係を継続し難い重大な事由

上記のとおり、性格の不一致そのものは法律上の離婚原因になっていないので、単に「性格が合わない」と主張するだけでは訴訟で離婚を認めてもらえません。

3-3.性格の不一致で離婚できないケース

性格の不一致で離婚できないのは、以下のような場合です。

相手が離婚に同意せず法律上の離婚原因もない

相手が離婚を受け入れない場合、訴訟で離婚を認めてもらうしかありません。
しかし法律上の離婚原因がなかったら訴訟では離婚できません。

相手が離婚に合意せず訴訟で法律上の離婚原因を証明できない

訴訟で離婚を認めてもらうには、法律上の離婚原因を証明しなければなりません。
不倫やDVなどの離婚原因となる事実があっても証明できなければ、離婚が認められない可能性があります。

4.性格の不一致が「法律上の離婚原因」になるケースとは

性格の不一致そのものは法律上の離婚原因になりませんが、状況によっては法律上の離婚原因に該当する可能性もあります。
以下では性格の不一致が原因でも法律上の離婚原因が認められるパターンをご紹介します。

4-1.相手が不貞した

夫婦の性格が合わないと、別の異性と不倫関係となってしまう人が少なくありません。
不倫(配偶者以外の異性との肉体関係)は法律上の離婚原因となるので、相手が不倫したら訴訟で離婚が認められます。

4-2.相手が生活費を払ってくれない

夫婦には互いに生活を支え合うべき義務があるので、収入の高い側は低い側へ生活費を渡さねばなりません。
それにもかかわらず生活費を払わなかったら「悪意の遺棄」と評価され、法律上の離婚原因になります。

4-3.相手が家出した

夫婦には同居義務があるので、正当な理由なしに家出したり同居を拒否したりしてはなりません。それにもかかわらず相手が一方的に家出をしたら、法律上の離婚原因が認められる可能性があります。

4-4.DVやモラハラ被害を受けている

DVやモラハラ(精神的暴力)は人格権侵害として許されない行為であり、高い違法性が認められます。
相手からDVやモラハラの被害を受けているなら、「その他婚姻関係を継続しがたい重大な事由」として離婚が認められます。

4-5.長期間別居している

夫婦の性格が合わないと、別居してしまうケースが多々あります。
概ね5年以上別居状態が継続していると「婚姻関係が破綻した」とみなされ法律上の離婚原因が認められる可能性があります。

5.性格の不一致で離婚する場合に慰謝料請求できる?

性格の不一致で離婚する場合、慰謝料を請求できるケースとできないケースがあるのでそれぞれみてみましょう。

5-1.慰謝料請求できないケース

合意で離婚する(協議離婚、調停離婚)

夫婦で話し合って離婚する場合には、基本的に慰謝料請求できません。
慰謝料が発生するには「どちらか一方の有責性」が必要だからです。有責性とは、婚姻関係を破綻させたことに対する責任です。
単に性格が合わずに離婚する場合、夫婦のどちらが悪いわけではありません。
お互いに慰謝料を払わねばならない理由がないので、慰謝料は請求できません。

ただし合意で別れる場合でも、相手が不倫していたり暴力を振るわれたりした経緯があれば、慰謝料請求できる可能性があります。

長期間の別居を理由に離婚する

離婚訴訟で裁判離婚する場合でも、離婚理由が「長期間の別居」の場合には基本的に慰謝料請求できません。
別居して婚姻関係が破綻した場合、夫婦のどちらにも有責性が認められないためです。

ただしもともとの別居原因がどちらかの不倫やDVなどの場合、慰謝料請求できる可能性があります。

5-2.慰謝料請求できるケース

性格の不一致が理由でも慰謝料請求できるのは、以下のような場合です。

  • 相手が不倫した
  • 相手から暴力を振るわれた、モラハラ被害を受けた
  • 相手が生活費を払ってくれなかった、家出された

上記のような場合、相手には有責性が認められるので、協議離婚でも調停離婚でも裁判離婚でも慰謝料を請求できると考えましょう。

6.性格の不一致で離婚する場合の財産分与と年金分割

性格の不一致で離婚する場合でも、財産分与は可能です。財産分与とは、婚姻中に積み立てた夫婦の共有財産を分け合う手続きをいいます。何らかの共有財産があれば財産分与できるので、離婚理由が性格の不一致であっても問題はありません。
婚姻中に形成した夫婦の預貯金、保険、不動産、車、動産(絵画や骨董品などの高価なもの)があれば、離婚時に分け合いましょう。
分割割合は基本的に夫婦で2分の1ずつとしますが、合意で離婚する場合にはその割合にこだわる必要はありません。

夫婦のどちらかや両方が厚生年金に加入している場合には年金分割もできます。
特に収入格差のあるご夫婦の場合には年金分割の重要性が高くなるので、忘れずに手続きしましょう。

7.性格の不一致で離婚する場合の親権や養育費

未成年の子どものいるご夫婦が離婚する場合、子どもの親権者を決めなければなりません。
離婚には合意できても親権者について合意できなければ協議離婚や調停離婚できないので注意が必要です。

どちらが親権者になるべきかは夫婦で話し合って決めるべきですが、どうしても合意できない場合には裁判所に決めてもらうほかありません。
裁判所では、以下のような視点で親権者を判断します。

  • これまでの養育実績
  • 現在の子どもとの関係
  • 子どもの愛着度合い
  • 今後の教育方針
  • 子どもが乳幼児なら母親優先
  • 子どもが一定以上の年令になっていれば子どもの希望を優先
  • 離婚時に夫婦が別居している場合、子どもが落ち着いて生活していれば現状を優先
  • 離婚後の面会交流に積極的
  • 居住環境が良い
  • 経済力がある
  • 心身共に健康

自分たちで話し合う場合でも、上記のような観点から「どちらが子どもの親権者になるのがより子どものためになるか」を考えて親権者を決めましょう。

親権を決定する際には、同時に養育費と面会交流についての約束もしておくようおすすめします。民法にも、離婚時にこれらの事項を決めるべきと規定されていますし、取り決めておかないと離婚後に調停が起こってトラブルの蒸し返しになる可能性もあるからです。

8.性格の不一致で離婚する流れ

  1. 相手に離婚を持ちかける
  2. 交渉して合意する
  3. 協議離婚合意書を作成する(できる限り公正証書化する)
  4. 合意できなければ離婚調停を申し立てる
  5. 調停が不成立になったら離婚訴訟を申し立てる(ただし法律上の離婚原因がある場合に限る)

基本的に上記の流れで進めますが、訴訟提起すべきかどうかはケースバイケースです。
また協議離婚する場合でも、必要な離婚条件を定めて公正証書化しておくべきと考えます。
自己判断で行動すると不利益を受ける可能性もあるので、迷ったときにはすぐに弁護士へ相談しましょう。

DUONは離婚に悩む方へのご支援に力を入れている茨城の法律事務所です。性格の不一致で離婚を検討している方は、一度お気軽にお問い合わせください。

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